
自民党MaaS議連PTにて、マイクロモビリティ推進協議会が、公道での実証実験結果を踏まえ、電動キックボードのルールづくりに向けた要望を発表
合わせて、警察庁へ違法車体の取り締まり強化を要望
2021.4.22
国内電動キックボード事業者を中心として構成されるマイクロモビリティ推進協議会は、2021年4月22日(木)に開催された「MaaS議員連盟マイクロモビリティPT」にて、関係省庁同席のもと、(1) 2020年10月より実施していた産業競争力強化法に基づく「新事業特例制度」を用いた電動キックボードの公道での実証実験の最終結果、(2) 実証実験結果を踏まえた電動キックボードの適切なルールづくりに向けた要望、(3) 違法車体に関する懸念、(4)2020年4月から実施する同制度を用いた実証実験の概要の発表を行いました。山際座長からは、遅くとも通常国会での法律改正を目指してほしいとの発言がありました。また、警察庁は当日、電動キックボードの違法車体に関する取り締まりを強化する方針を表明しました。
● 電動キックボードの適切なルールづくりに向けた要望
マイクロモビリティ推進協議会は、実証実験結果を踏まえ、以下のルールづくりに向けた要望を発表いたしました。なお、以下の内容について、「制限速度」以外の項目については、4月15日に公表された多様な交通主体の交通ルール等の在り方に関する有識者検討会の中間報告書(※1)と同様の内容となっております。
(※1)警察庁 多様な交通主体の交通ルール等の在り方に関する有識者検討会 中間報告書概要 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/council/mobility/interim-houkoku-gaiyou.pdf
【要望内容】
道路交通法上の扱いとしては、以下3区分を許容し、中段を原則とすべき。

上記区分に応じて、以下を要望する。
・保安基準を新規に検討(中下段については自転車並みとすべき)
・ナンバープレートの必要性等を検討(中下段については不要とすべき)
・リスクに合わせた保険制度の設定
・この他、シェア事業者、販売事業者問わず、利用者への事前説明は責任を持って行う。
【要望の背景】
歩行者より速く、自動車より遅い中低速モビリティである電動キックボードは、本来、車道とも歩道とも区別された独立した道路空間を走行すべきと考えられます。しかしながら、そのような道路空間が明確に定義されていない現状においては、車道の左端、自転車レーン、自転車道、路側帯を走行することが円滑な道路交通の確保および交通安全の観点から望ましいと考えます。
また、制限速度は、原動機付自転車や電動アシスト自転車(24km/hまでアシストで走行)さらには普通自転車等との共存、円滑な交通の実現を図る観点から20km/hが適切と考えます。なお、最高速度20km/h未満での走行を行った実証実験で事故等は起こっておらず、利用者や周辺住民等へのアンケートでも最高速度20km/hが適切との回答が多かったところです。
自転車レーン、自転車道等が整備されておらず、車道の左端を走らざるを得ない場合、交通量が多い道路では車道を走ることが生命の危機を感じることもあり、そのような場合は、制限速度をジョギング程度の速度である10km/hとした上で歩道に乗り入れることも認めるべきと考えています。
● 違法車体に関する懸念

マイクロモビリティ推進協議会 発表資料
昨今、違法な形で公道を走行している電動キックボードが急増しています。街中の量販店やECサイトで販売されている車体や、公道走行可と書いてあっても違法な車体も存在しています。例えば、制動装置が1つしか搭載されていない等の車体が挙げられます。電動キックボードの安全な社会実装に向けて、利用者の交通ルール遵守に加え、違法車体対策が避けられません。マイクロモビリティ推進協議会は、利用者への普及啓発活動、違法事業者の通報などを実施しますが、警察による違法車体の販売事業者・所有者・転売者や、交通ルールを無視した利用者の取り締まりの徹底が必要だと考えています。
4月22日(木)のMaaS議連では、マイクロモビリティ推進協議会の上記に関する懸念の発表を受けて、警察庁担当者より、取り締まり強化を行う旨のコメントがありました。
● 「新事業特例制度」を用いた電動キックボードの公道での実証実験の最終結果報告
2020年10月より半年間実施した電動キックボードの公道(車道+自転車レーン)での実証実験について、参加事業者のEXx、mobby ride、Luup、長谷川工業4社の実験結果を報告しました(以下画像参照)。






